役所で何かの書類を取得する際や、何かを申請する際、または何かしらの会合に出席する際において、自分の代わりとなる誰かに参加して貰う場合には委任状を求められる事がありますね。
でもそもそも委任状って、どんなものなのでしょうか?ここでは委任状の書き方、及びその注意点についてお話したいと思います。
委任状とは
まず委任状における<委任>とは、当事者の一方が一定の行為をすることを相手方に委託する事を言い、その内容を文書として書き記したものが委任状です。
噛み砕いて言えば、自分がしなければならない事を他人に任せる場合、口頭だけでなく文書として「この人に任せましたよ」と証明されたものが委任状なのです。
委任状の基本的な書き方
委任状の基本的な様式に沿っての書き方をご説明しますと、下記の通りになります。
- 委任年月日、委任者の住所、氏名
- 受任者の住所、氏名
- 委任内容
- 押印
①委任年月日、委任者の住所、氏名
委任状に記入する日付は、受任者に委任した日になります。
委任者の住所や氏名を記入するのは勿論ですが、生年月日や電話番号の記入を求められる場合もあります。
②受任者の住所、氏名
委任者から委託される側の住所、氏名が必要です。
委任者と同様、生年月日や電話番号の記入を求められる事もあります。
③委任内容
受任者に何を委託するのかは重要ですので、できるだけ詳しく、具体的に記載するようにします。
どんな案件なのか、どんな時に有効なのか、そしていつまで有効なのかは明確に記しておく必要があります。
④押印
必要に応じて認印か実印を押印します。
総会等欠席の委任状の書き方
PTA総会や、各種団体の総会など、総会の開催日に参加できないケースもあるかと思いますが、その際にも委任状が必要となるケースがほとんどです。
総会などでは構成員の一定以上の割合の出席が必要となりますので、出席率を確保する為にも委任状の提出が必要となる訳です。でもこういう場合、誰に委任すれば良いのでしょうか?
もし自分の代理として信頼の置ける、そして自分と同じ意見の方が参加してくれるのであれば、その方の名前を受任者として記入するのが一番です。しかし、総会の決定に委任し、決まった事に従うというスタンスなのであれば、「議長に委任する」のが一般的です。
この場合、多数決などでは多数側に自動的に票が入る事になりますので、結果的には総会の決定に委任するのと同じ事になります。
ちなみに「議長に委任=議長一人の議決権が増す」と思われるかもしれませんが、議長には基本的には議決に加わる権利はありません(可否同数になった場合にのみ、議長が最終的な議決を行います)。
ですので、多数の方が議長に委任したとしても、それによって作為的な票の操作などは行えないようになっています。
その他委任状の注意点
①白紙委任状は極力発行しない
委任状に受任者や受任事項を書かず、委任者の署名捺印だけをしてしまうものを白紙委任状と言います。
相手方やその他の者に空欄部分の補充を委ねる方式ですが、白紙部分に委託者の予想を超えた内容を書き込まれてしまう恐れもあるため注意が必要です。
また、委任内容を記載している場合でも、勝手に委任事項を追記されないよう「以下余白」「以上」などと記入するなどの対策も有効です。
②コピーを取っておく
委任状のコピーを取っておけば、委任状の記載事項を後日からでも確認できます。
後々自分の知らない所で勝手に内容を書き換えられているなどのトラブルを防止する事もできます。
③委任状の有効期限に注意する
委任状には法律で決められた効力期間はありませんが、多くの機関では作成から3カ月以内のものを求められます。
日付が古すぎるとトラブルの要因にもなりますので、作成から3カ月以内の委任状を活用するのが良いでしょう。
また、委任された内容が完了した時点で効力を失うよう明記する、委任状に有効期限を明記しておくなどの措置もトラブル防止のためには必要です。
おわりに
今回は、委任状の書き方についてお話ししてきましたが、いかがだったでしょうか?
委任状は簡単に作成、記入ができますが、内容や期限をしっかりと把握しておかなければ思わぬトラブルに発展する可能性もあります。
自治体などでは使用例に応じたテンプレートを公開しているケースが多いですので、参考にしてみてはいかがでしょうか。